お通夜や葬儀・告別式に参列する際の服装・アクセサリー・数珠・髪型・メイク・ネイルなどのマナーをまとめています。
まず知っておきたい、葬儀での服装マナーは大きく4つです。
[list class=”li-check li-mainbdr main-c-before”]
- 黒を基調として光沢のあるものは避ける
- 殺生を意識させる毛皮や皮革を避ける
- なるべく肌を露出させない
- 数珠の共有や貸し借りはNG
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このポイントを押さえて、さらに詳しくチェックしていきましょう。
喪服はご遺族側と参列者側で異なる
喪服には「正喪服」「準喪服」「略式」の3種類に分けられ、喪主・ご遺族と参列者でどちらを着用するのかが異なります。
簡単にまとめると、
- 正喪服(モーニングコート、和装)…喪主やご遺族などが着用する。
- 準喪服(一般的な喪服)…一般参列者が着用する。喪主やご遺族が着用することもある。
- 略式…三回忌以降の法事や、お通夜の参列で着用する、黒や紺、ダークグレーなどの控えめな服のこと。
葬儀では、喪主やご遺族は「正喪服」を着用し、参列する側は「準喪服」と呼ばれる一般的な喪服を着用します。
参列者の服装は、ご遺族よりも格が上がらないようにすることがマナーであるからです。
[memo title=”正喪服ってどんな服のこと?”]【洋装の場合】男性はモーニングコート、女性は黒のアフタヌーンドレスやワンピース、【和装の場合】男性は黒紋付き羽織袴、女性は黒無地着物のことを指します。[/memo]
お通夜と葬儀・告別式で許される服装が異なる
喪服の使い分け以外にも、お通夜と葬儀・告別式では若干許される服装の範囲が異なります。
お通夜は仕事帰りなどに直行することもあるため、葬儀・告別式ほど決まりは厳しくありません。詳しく確認していきましょう。
[box class=”box26″ title=”お通夜での服装”]
- 男性…ダークスーツ(紺やダークグレー、目立たなければストライプでも可)
- 女性…スーツorワンピース(紺、ダークグレーも可)、黒のブラウス+スカート
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[box class=”box26″ title=”葬儀・告別式での服装”]
- 男性…ブラックスーツ(ダブル、シングルいずれも可)、裾はシングル
- 女性…黒のワンピースorスーツorアンサンブル
[/box]
シャツは白無地、ネクタイは黒無地(ネクタイピンはNG、カフスは黒石なら可)を選びます。
スカートは膝が隠れるくらい長い丈のもので、ふくらはぎまで長さがあっても問題ありません。
靴下・ストッキングは黒無地(柄ものはNG、お通夜なら肌色のストッキングでも可)です。
タイツはあまり好ましくありませんが、寒い地域などでどうしても履きたい場合は網目の目立たない黒無地を選びましょう。
靴やパンプスは光沢や金具のないシンプルなもので、ヒールは3~5cmまでが無難です。スエード素材は子山羊や子牛の皮の裏をけば立てたものなので避けましょう。
髪型は短い場合はそのままでOKですが、長い場合はお辞儀をしたときに邪魔にならないよう後頭部の低い位置でまとめます。
ヘアアクセサリーは光沢や大きな飾りのない黒いリボンやバレッタを選びましょう。
ネイルは基本NGです。クリアカラーやベージュカラーにとどめ、アートやストーンなどが付いていたらNGです。
どうしてもネイルを落とせない場合は、上からベージュカラーのマニキュアを塗って隠すか、黒い手袋で隠す(お焼香や食事では外す)ようにします。
メイクはベージュ系のナチュラルメイクにとどめ、赤が強い口紅やチークは絶対にNGです。ナチュラルが無難とはいえ、ノーメイクも失礼にあたるためNGです。
冬場にコートを着る際はカジュアルなものはNGで、光沢や金具などの付いていない黒やグレーのシンプルなデザインを選びましょう。
持ち物やアクセサリーについて
鞄・バッグは黒い布製のバッグが好ましく、殺生をイメージさせる革製品は避けます。もし革製品を持つ場合は光沢や金属飾りがないものを選びましょう。
リュックやショルダーバッグでお通夜に行く場合は、失礼のないよう持ち方を工夫して手で持つようにしましょう。
アクセサリーは男女ともに結婚指輪以外は外し、時計もNGです。もし身に着ける場合は2連3連のものを避け、1連のパールネックレスとイヤリング(ピアス)のみにとどめましょう。
ハンカチは白無地が基本です。なければ黒か薄いブルーを選びます。
ふくさはお悔やみの場合は寒色系の色(黒や紫)を選びます。
傘は黒やグレーを選び、柄物やカラフルなものはNG、ビニール傘はOKです。
台所のお手伝いでエプロンや割烹着を持参する際は、黒を選ぶと無難です。白でも失礼にあたりませんが、地域差があるため可能であれば事前に確認しておくことをおすすめします。
数珠のマナーについて
数珠は必ずしも持って行かなければいけないわけではなく、持っていないからといってマナー違反になることはありません。
しかし、葬儀ではほとんどの人が数珠を持参しているため、持っていない場合は浮いてしまうかもしれません。
安いものでもいいので、1つ買っておくとよいでしょう。
(キリスト教など、仏教以外の葬儀では数珠を使わないこともあります。)
数珠の種類
数珠は、「本式数珠」と「略式数珠」の2種類に分けられます。
- 本式数珠…自身の宗派に合わせた玉数のもの(基本の形は108玉で二連になっているものが多い)。
- 略式数珠…どの宗派でも使える、片手用の一連タイプのもの。
「本式数珠」は、宗派(浄土宗、浄土真宗、真言宗など)によってデザインや珠数が異なります。
信仰する宗派が決まっていない場合は、どの宗派に関わらず使える「略式数珠」を持参すれば問題ありません。
また、数珠には男性用と女性用があり、珠数は同じでも珠の大きさが異なり、男性用の方が大きく作られています。
数珠を使う場面と使い方
数珠は「お焼香」のときに使うものですが、お焼香の時点でカバンから取り出すのではなく、葬儀の最中は基本的に数珠を手に持っておきましょう。
[box class=”box26″ title=”数珠の持ち方・使い方”]
- 読経などを聞いているとき…左手首にかけておく
- お焼香などで歩くとき…房を下にして、左手で持って歩く
- 合掌するとき…左手の人差し指~小指の4本に数珠を掛け、輪の中に右手を入れて手を合わせる
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数珠に関する注意
数珠は、「貸し借りをするとマナー違反」とされています。
数珠は「念珠(ねんじゅ・ねんず)」とも呼ばれ、持ち主のお守りとして身代わりになってくれる役割があります。
そのため、人に貸したり借りたり、家族であっても共有することはNGです。